ワインの醸造過程において、酸化防止剤として使われる添加物に「二酸化硫黄」があります。二酸化硫黄は化学式では「SO2」と書き、たいていはワインラベルの裏側に「亜硫酸塩」と記載されます。
昔はよく「ワインを飲むと頭痛がする」「亜硫酸塩が原因」などと噂された事がありました。確かに亜硫酸塩は摂取しすぎると頭痛の原因となることがありますが、ワインに含有できる分量は各国の安全性基準で規定された数値以下ですし、添加されてから時間が経過すると分解が進むため、ワインを口にした瞬間には既に別の物質になってしまっていると言われます。頭痛の原因は「二日酔い」と考えた方が自然でしょう。
容器の殺菌や酸化防止のために添加
ワインへの二酸化硫黄の添加は、ブドウそのものや、醸造に使う容器を殺菌する際に使ったり、発酵中や瓶詰め時のワインに加えて、酸化を防止する働きがあります。こうした二酸化硫黄が使われるようになったのは、18世紀頃からです。
以前まではワインは時間が経過すると「お酢」になってしまっていましたが、酸化防止剤の発明により長期熟成が可能なったり、各国への輸出ができるようになったとも言われます。
ワインが現代的なスタイルになったのも、また日本でも楽しめるようになったのも、酸化防止剤があったからとも言えます。
自然派ワインを含め、世界中のワイナリーで使用されている
自然派ワインやオーガニックワインと呼ばれる生産者でも、発酵容器を殺菌する際に二酸化硫黄を用いたりするので、現在では世界中のほぼ全てのワイナリーで、多かれ少なかれ二酸化硫黄が使われていると言われます。
また、ワインの生産者は、発酵直後や熟成中のワインを、品質チェックのために毎日のように試飲しています。それでも職業病のように健康を害してしまったという話しは聞きません。
決して危険性のあるものではなく、安全に楽しむための添加物ですのでご安心下さい。