ボルドーワインの主要生産地と地図

ボルドー地方の広大なブドウ畑は、ジロンド川、ガロンヌ川、ドルドーニュ川の3つの河川の沿岸に、緩やかな斜面の平地に広がります。ひとつの生産者が広大な面積で複数に点在するブドウ畑を所有する場合も多く、畑毎にA.O.Cは存在せず、最小単位のA.O.Cは村名までとなります。

メドック地区(Médoc)

ジロンド川の左岸地域。比較的温暖な海洋性気候で、砂利の多い水はけの良い土壌からはカベルネ・ソーヴィニョンを主体とした長期熟成タイプの赤ワインが作られます。

大きく2つの地区に分けられ、ジロンド川の最下流エリアが「メドック」、上流エリアが「オー・メドック」となります。オー・メドックは、格付けシャトーが集中するエリアで、「サン・テステフ村」、「ポイヤック村」、「サンジュリアン村」、「マルゴー村」などのコミューンがあり、それぞれ村名のA.O.Cを名乗る事ができます。

サン・テステーフ 表土は軽いが下層は粘土質と石灰質の土壌で豊かなストラクチャのワインを有む。
ポイヤック 小粒の砂利の混ざった土壌からは、タンニン豊富な超熟タイプのワインが生まれる。5大シャトーのうち3シャトーが集中するエリア。
サン・ジュリアン 大きな石が混じった粘土質や石灰質の土壌から柔らかなワインを含んだワインが生まれる。
マルゴー 砂利や粘土質の土壌からは繊細でふくよかなワインが生まれる。

ムーリやリストラック・メドックは、他のオー・メドックの産地とは異なり川から少し離れた位置にあり、砂利や粘土の小丘の土壌からはやわらかな印象のワインが作られます。

グラーヴ地区(Graves)

ガロンヌ川の左岸地域。ボルドー市の南部に位置します。グラーヴとは砂利の意味で、砂利を多く含む土壌ではカベルネ・ソーヴィニョンが多く栽培されています。また赤ワインと共に高品質の白ワインも作られており、ソーヴィニョン・ブランを主体に栽培されています。

ペサック・レオニャン 元々はグラーヴの一部であったがその秀逸世が認められ1987年にグラーヴから独立したA.O.C。高品質な赤ワインと白ワインが作られる。
グラーヴ 砂と砂利の堆積土。ペサック・レオニャンより軽めで若いうちから楽しむ事ができる。

尚、グラーヴ地区の格付けシャトーは、すべてペサック・レオニャンに位置しています。

ソーテル地区(Sauternes)

ガロンヌ川左岸地域。霧が発生しやすいエリアで、ブドウに貴腐菌が繁殖しやすく、セミヨン種を主体とした世界最高峰の貴腐ワインの産地として知られています。

ソーテルヌ 砂利や小石が多く、その下は粘土質を含む石灰質土壌。
バルサック 石灰質土壌。バルサックはA.O.Cとして「バルサック」または「ソーテルヌ」を名乗る事ができる。

サン・テミリオン・ポムロール地区

ドルドーニュ河右岸地域リブルヌの街を中心としたエリア。左岸に比べ冷涼で、粘土石灰岩の土壌からはメルローやカベルネ・フランを主体とした高品質の赤ワインが作られます。メドック地区に比べ生産者あたりの所有する畑の規模は小さいため、生産量が少なく希少価値が付きやすいため、中には5大シャトー並の価格で取り引きされるワインもあります。

サン・テミリオン 世界遺産の街周辺に広がるエリア。収穫量などの規定が厳しい「サン・テミリオン・グラン・クリュ」には格付けがなされている。
サン・テミリオン衛生地区 サン・テミリオンの北に広がるエリア。サン・テミリオンの名が付く4つ(サンジョルジュ、モンターニュ、リュサック、ピュイスガン)のA.O.Cからなる。
ポムロール 格付けはないが鉄の酸化物を含んだ独特の土壌からは高品質のワインが作られる。「ポムロール」と北側の「ラランドポムロール」に別れる。
フロンサック 粘土質の多い土壌から柔らかなワインが作られる。「フロンサック」と南側の「カノン・フロンサック」に別れる。

アントル・ドウ・メール地区

ガロンヌ川とドルドーニュ川の大きな川に挟まれたエリア。白ワインの生産が多く、ソーヴィニョン・ブランを主体に、カジュアルなものからコストパフォーマンスの良いワインが作られています。