ワインを楽しむためには欠かせない重要な概念として「Terroir(テロワール)」という言葉があります。テロワールは、フランス語で「大地」を意味し、ワインにおいては原料となるブドウが育った土壌や気候などの自然環境、あるいはバックグラウンドのことを総合して「テロワール」といいます。
ブドウは自然環境に左右されやすい
ブドウの木は時には樹齢100年を超えるものもあり、また、地下数十メートルにまで根を伸ばし、その土地から得られるエネルギーを十分に吸収して育つ植物です。
基本的にワインはブドウ果汁100%から作り、水などを加える事はありません。そのため、原料のブドウの品質次第で仕上がるワインの品質が大きく変わってきます。ブドウが育った環境、つまり「テロワール」によってワインの個性も大きく変わってきます。
テロワールの違いでワインの個性は異なる
例えば、同じシャルドネ品種を使ったワインでも、南国の温かい地域で育ったシャルドネと冷涼な地域で育ったシャルド、あるいは石灰岩の多い土壌で育ったシャルドネとそうでないシャルドネでは、全く個性が異なったワインが生まれます。それはテロワールが異なるからです。
フランス、ブルゴーニュ地方では、赤はピノ・ノワール100%、白はシャルドネ100%といった具合に基本的には単一品種のブドウからワインが作られます。
ここでは、同じ生産者が同じブドウ品種を使って同じようにワインを作ったとしても、ブドウが収穫された村や畑の区画ごとに全く異なる個性のワインが生まれます。ブルゴーニュ地方は大昔の堆積土の関係で地層が複雑に入り組んでおり、小さな区画にまで異なるテロワールが存在しているからです。
ワインを味わい、テロワールを感じる。
世界中のワイン生産地には、様々なテロワールが存在し、異なる個性のワインが作られています。ワインを味わい、テロワールを感じ取ることこそ、ワインの醍醐味であるとも言えます。ワインを飲んだ際には、そのワインがどこで生産されたものなのか、生産国や細かな地域を記憶していくと、テロワールの影がうっすらと見えてきます。
ぜひ、多くのワインを味わい、様々なテロワールの違いを感じてみましょう。