アルザス地方で作られるワインのうち約93%が白ワインです。ドイツワインとは異なり辛口が主流ですが、使用されるブドウ品種はドイツワインと多くが共通しています。
フランスで最も雨の少ない生産地
ブドウ畑はヴォージュ山脈の東側にあり、南北約100kmに広がります。このヴォージュ山脈が西から吹く冷たい偏西風を遮り高緯度の割には温暖であり、山脈西側で雨を降らせるため、アルザス地方はフランスで最も降水量が少ないワイン生産地でもあります。
単一品種から作られる
アルザスのワインは、ドイツワイン等と同じく基本的には単一品種のブドウから作られます。約93%が辛口白ワインであり、高品質ワインを生み出す主要ブドウの種類として下記の4種があります。これらは高貴4品種とも言われます。
主要ブドウ品種
リースリング | 栽培量約74%を占める主要ブドウ品種。しなやかな酸とミネラル感が強く、硬質かつ繊細でエレガントな味わい。白い花や、リンゴや蜂蜜などの香りが特徴。 |
ゲヴェルツトラミネール | ライチやバラのような華やかな香りが特徴的。トロリとなめらかな果実みとともに、スパイシーさを感じる。 |
ピノ・グリ | ピノ・ノワールの変異品種。グリ色(灰色)をしている。繊細な味わいは和食との相性も良いと注目される。 |
ミュスカ | ブドウ本来のマスカットのフレーバーが特徴的で、すっきりとした味わいと軽やかでドライ後味に、ほのかにスパイシーさがある。 |
その他にも、下記のようなブドウ品種が栽培されています。
その他のブドウ品種
ピノ・ブラン | ドイツなどで栽培されるブドウ品種。 |
シルヴァーネル | ドイツなどで栽培が盛んなブドウ品種。 |
ピノ・ノワール | アルザス地方で栽培が認められている唯一の黒ブドウ品種。赤ワイン・ロゼワインの他に、スパークリングワインの「クレマン・ダルザス」にも使われる。 |
複数品種をブレンドした場合
アルザスワインは、基本的には単一品種のブドウから作られますが、複数品種をブレンドした場合は、ボトルのラベルに「Gentil(ジャンティ)」または「Edelzwicker(エーデルウヴィッカー)」と記載されます。